すでに流行が始まっている今、インフルエンザワクチンを打つ意味はあるのか?
今年は8月後半から早くもインフルエンザの流行が確認されており、「ワクチンの供給や接種が本格化する前に流行が始まってしまった」「もう手遅れでは?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
確かにタイミングとしては「間に合わなかった」ように見えるかもしれません。しかし、医療現場に立つ医師としてお伝えしたいのは、「今からでもワクチンを接種する意義は極めて大きい」ということです。
改めて、インフルエンザワクチンの本質的な目的を考えてみましょう。
「自分を守る」ため(発症予防・重症化予防) ワクチンを打つことで、感染リスクを下げるだけでなく、万が一罹患しても重症化を防ぐ効果が期待できます。冬の本番に向けて、今から備える価値は十分にあります。
「周りの命を守る」ため(集団免疫と弱者の保護) ワクチンの真価は、社会全体での感染拡大を抑え、重症者や死亡者を減らす「集団免疫効果」にあります。たとえご自身が健康で感染しても軽症で済むとしても、ワクチンを打つ人が増えれば、ウイルスが社会の中で広がるスピードを確実に鈍化させることができます。
社会の中には、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患を抱える方がたくさんいます。さらに、インフルエンザワクチンは鶏卵を用いて製造されることが多いため、重度の卵アレルギーがあり、打ちたくても打てない方もいらっしゃいます。
そうした方々を感染リスクから守る防波堤になれるのは、「ワクチンを打てる健康な私たち」だけです。
インフルエンザワクチンは「自分のため」の注射であると同時に、「打てない誰かを守るための思いやり」でもあります。流行の波が立ち上がっている今だからこそ、接種可能な方はぜひ前向きにワクチン接種をご検討ください。


